新しい釣りと懐かしい釣り

ホンモロコの語り部、京都の杉田さん!!
ホンモロコの語り部、京都の杉田さん!!
1972年の4月号。ホンモロコ釣りの記事がたくさん。杉田さんが貴重な本を何冊か持って来てくださった
1972年の4月号。ホンモロコ釣りの記事がたくさん。杉田さんが貴重な本を何冊か持って来てくださった
ABUの広告! 私はまだ幼稚園時代で、リアルタイムとはいい難い。でもあまりに格好よくてシビレますー、やっぱり
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 只今、07号鋭意製作中です。お待たせしてしまい、本当に申し訳ありません。
 さて先日、ホンモロコ釣りの語り部である杉田さんが、いつも通りに自作の千枚漬や自分でひいた出汁などの手みやげを届けにきてくれました。季節によってはホンモロコの炊いたんや、アユの炊いたん、ときにはアユのフライなども届けてくださいます。それらは素人のレベルではなく、何れもめっちゃ美味しいんです。

  杉田さんは京都にお住まいで、197080年代中頃までの『関西のつり』に寄稿されていた方です。自身の釣り姿のみならず写真作品も、当時の誌面を度々飾りました。とっくに80歳を越えているとは思えないくらい非常にお元気で、ついさっき見て来たように60年以上前の釣り場の風景を語ってくださいます。その内容は今からは想像もつかない、まるでおとぎばなしのようです。
 半世紀前、春のホンモロコ釣りが琵琶湖の風物詩だった頃のこと。地元はもちろん、京都や大阪等から琵琶湖にホンモロコを狙いに行く人々は、非常に多かったようです。特に京都については琵琶湖へ近いこともあり、大人も子供も、こぞって琵琶湖へと向かっていたそうな。45年前そんな文化の中枢に、若き日の杉田さんはいらっしゃったのです。先日は御自身の文章が掲載された懐かしい号やらリールやらを持ってきて、見せてくれました。今までいろいろうかがったお話は、当時を知らない身には、貴重な内容ばかりです。


 ここ10年のネット環境の進歩は、凄まじいものです。しかしその便利さを享受する一方で、ネットリサーチ中に愕然として冷汗をかくことも増えてきました。実際に経験してきてあたりまえに思っていることをネット検索しても、ほとんど出てこないことが多々ある。ネット以前のことが「まるで無かったことのよう」であり、焦燥感にかられる場面が増えています。
 釣りに関しては、特にそうです。私は釣りキチ三平世代で、ルアー釣り愛好家です。子供の頃に親しんだバスやギルは、未だに大好き。で、ちょこっと自分が好きだったルアーやリールのことをネットで調べてみると、情報が出てこない。自分の常識はもはや古いもの、そう思い知らされてしまいます。釣りの中でも新しい分野といえるルアーの世界でさえ、ちょっと気を緩めるとそうなるのですから、いわんや他の釣法に関しては、それは恐ろしいことになっている気がします。ネット以前に盛んだった釣法は、特に淡水の釣りに関しては、もはや無かった扱いになりつつある。そんなことで本当にいいだろうか? あれだけ趣があって楽しいというのに……いいはずがありません。

 

 釣り雑誌を個人で出版するという無謀な試みをするようになってから、釣り好きな人生の大先輩方とお目にかかれる場面も増え、強く思うことがあります。世代が違い、釣法が違っていても、釣りの心は同じということです。だからこそ、先輩方が愛していた釣りのことも、自分の世代に伝えていかないといけないという気持ちになります。なんか偉そうですが、使命感さえ感じています。貴重なお話のストックは増える一方で、形にできていないことも多く焦ります。

 

 釣りメディアの大先輩である八木禧昌さんと先日お話していて、寒バエ釣りのエサ一つにしても、過去にどれだけ研究が進んでいたのかを知りました。繊細で奥深い釣り文化があったことが分かり嬉しかった。八木さんも、少し前の釣りの世界が急速に失われていくことを憂えていらっしゃいました。

 

 自分の世代の釣り文化を胸を張って伝え続け、もっと前の釣り文化も学びつつ伝える。紙の本でそんな理想を追っていければ本望です。その為にも、もっとさっさか本を出版して宣伝もしてたくさん販売せんといかん! この欄もさぼってる場合やない、何より、釣りの楽しさをもっとずっと気合を入れて伝えんといかんなと、猛反省しかない今日この頃なのでした。

 

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コメント: 3
  • #1

    なかがわかつひろ (水曜日, 29 3月 2017 00:39)

    自分の知らないABUが、カッコいい、、、
    本はいつでも好きなように見れるからやっぱり偉大ですね。
    子供の頃の釣り道具はほとんど残っていないので昔の釣具見つけるとつい買ってしまいます。

  • #2

    ウォルトン舎 (水曜日, 29 3月 2017 19:55)

    なかがわさん、コメントありがとうございます。子供の頃の釣り道具を眺めていると、心が温まりますよね! ABUの色気は、たまりません。新しい釣りも、懐かしい釣りも、大切にしていきたいです。今後とも御愛読のほど、何卒よろしくお願い致します。

  • #3

    MOMO (日曜日, 30 7月 2017 21:26)

    思わずコメントさせていただきたくなりました。手に持たれているのはアブマチック170かな。素晴らしい出来のいい道具です。この関釣りが発刊された頃は、ルアー黎明期で、シマノは自転車だけだったと思いますし、ダイワもオリムピックもまだ本気でなかったですね。ABUの広告はもっとすごいのがあります。メーター級のサーモンを抱えた北欧人?で手には5000Cというものです。ちょうどこの頃に友人とルアーを始めまして、関釣り誌やフィッシング誌の広告や記事をスクラップして情報を集めていました。大阪の老舗のクラブにも入れてもらいました。なんとか琵琶湖に行きたくて大阪~三条京阪~坂本から徒歩で、湖畔の廃墟のホテル付近でダーデブル3.5gで小さなナマズを釣りました。懐かしい思い出です。「静かな」釣り。いいですね。購読させていただこうと思います。